photo Koichi Torimura
イエのある家
「イエ型の家が欲しいんです」というお客さまの言葉を丁寧に紐解いていくと、実は、三角屋根がもつカタチとしての可愛らしさだけでなく、家族の集い、あたたかさ、ぬくもりの象徴としてイエ型を欲している事に気付いていきました。ただ、高台にあり、更に駐車場の上に建つこの建物は、仮に家全体をイエ型にしたとしてもそのカタチを道行く人に感じてもらうには距離がありすぎます。
そこで、全てのイメージを一旦受け止め、整理し、再構築すると、実は家の中にイエ型を組み込むことが理想なのではないかという結論に達しました。
床壁天井をグルリと同じ素材でくるみ、包み込まれるようなリビングで日々イエ型を感じて暮らす。
大好きなものを、大好きな人たちと噛みしめて過ごす、そんな当たり前で実は贅沢な時間が流れています。
お客さまが「単に生活する場という認識から様々なシーンを楽しむ場と”住まい”に対する概念が大きく変わった」とコメントを寄せてくださっていたことを、後日とあるメディアを通して知りました。