photo Toshiyuki Yano
かさなりの家
奥行き約12mに対して間口が約4mといういわゆるウナギの寝床状の細長い敷地に建つ木造3階建ての狭小住宅です。
隣地の建物と近接し採光通風ともあまり期待できない立地に建つこの建物は、無理矢理に内装デザインでその室内空間の質を誤摩化すのではなく、いかに実際に気持ちのよい空間を奥深くにまで生みだすかを念頭に置いて計画しました。
片側に極太の柱を並べて片持ちのラーメン構造として内部の構造壁を廃し、その極太柱間にキッチンや収納などの機能を集約し、反対側は極く普通の柱サイズと壁厚とすることで空間ロスを最小限としつつ長辺方向の空間連続性を確保しています。この構造を生かし、南北両端はビル用サッシを用いて間口いっぱいの大開口として採光通風を最大限確保して筒状の空間を強調させています。